「テンポスグループ」と検索すると、「やばい」という気になる言葉が出てきます。
さらに「テンポスバスターズ 死亡」「評判」「株主優待 廃止」「株主優待 改悪」など、少し不安になる検索候補も並びます。
そこで調べてみると、予想していなかったものが見つかりました。
なんとテンポス自身が、公式に「ひかるブラック企業」という言葉を使っていたのです。
では、テンポスはいわゆる「ブラック企業」なのでしょうか。
今回確認した公式情報や主要な口コミ・報道の範囲では、テンポスグループを一般的な意味での「ブラック企業」と断定できる材料は確認できませんでした。
「死亡」という検索ワードを裏付ける事故や事件も確認できず、株主優待も廃止されていません。
ただ、一般的な会社とはかなり違う経営方針や制度を持つ会社であることは確かです。
この記事では、森下篤史さんの経営思想や独特な社内制度、社員の評判、「死亡」という検索ワード、株主優待の変更まで、確認できた情報をもとに整理します。
テンポス創業者・森下篤史さんの経歴や人物像については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

テンポスグループはやばい?「ひかるブラック企業」を自称していた!
普通の会社なら、「ブラック」という言葉はできるだけ避けたいところですよね。
ところがテンポスでは、この言葉が公式サイトやIR資料で何度も登場します。
2023年6月に発行されたテンポスの飲食業界誌「スマイラー」90号では、森下篤史さんの連載タイトルが「テンポスはブラックかって? ああ、そうだよ。それがどうした!」。
記事の中では「森下社長、テンポスって、もしかしてブラック企業なんですか?」と本人に直接尋ねています。
さらに、
・2023年12月の役員研修では、テーマそのものが「ひかるブラック企業」
・2024年7月の公式IR記事では、「ひかるブラック企業のテンポスバスターズは全国店長会議を開催しました」と紹介
・2026年4月期の会社説明資料では、「日本を引っ張る、ひかるブラック企業」と掲載
と、複数年にわたって公式サイトやIR資料で繰り返し使われています。
7月25日、「ひかるブラック企業テンポス」は第32回定時株主総会を開催。決議事項は4議案ともに原案通り承認可決されました。
— テンポスHD【公式】飲食店の開業支援・ドクターサービス (@tenpos_koho) July 26, 2024
今年も討論ライブが開催された他、あさくまのサラダバーをご用意。人気のホットバー等をお楽しみいただきました。
動画も準備中ですので、ご用意でき次第お知らせします。 pic.twitter.com/mI1CGaFQnt
「ひかるブラック企業」の意味とは
では、「ひかるブラック企業」とはどういう意味なのでしょうか。
2023年12月の役員研修で、森下さんがその考え方を説明しています。
公式サイトの内容を要約すると、企業が「ホワイト企業」を意識するあまり社員に負荷をかけることを避け、新しい仕事まで任せなくなれば、社員が成長する機会を失う可能性がある。
そこでテンポスが目指すのは、「厳しくても、やさしい」会社だという考え方です。
森下さんが挙げる「厳しさ」は具体的です。
週5時間、年間240時間の研修を受けさせることや、連絡・決定・依頼を1分以内に行う「RKT-1」の徹底、指示したことをやっていなければ叱ることなどを挙げています。
一方で、社員のスキルが上がり利益が増えれば、従業員へ還元することもセットで語っています。
こうした環境を「ブラック」と呼ぶ人もいるかもしれない。それならブラック企業で構わない、というのが森下さんの考え方です。
つまり「ひかるブラック企業」は、一般的に問題視される「ブラック企業」と同じ意味で使っているのではなく、テンポス独自の考え方を表した言葉といえそうです。
ただし、会社側が仕事の「厳しさ」を隠していないことも分かります。
テンポスグループが「やばい」と言われそうな理由
公式情報を読み進めていくと、ほかにも一般的な会社ではあまり見かけない考え方や制度が次々と出てきます。
社員を「弟子」「門弟」と考える独特な経営方針
森下さんは社内報2020年11月号で、「賃金5割アップ」という目標について語っています。
その実現には生産性を大きく上げる必要があり、社員ではなく「弟子」になったと思って修業を積んでほしい、という考えを示しました。
別の公式メッセージには「社員は門弟!」という強い言葉も登場します。
同じメッセージでは、年間休日を8日増やして120日にしたことや、給料を5%上げることにも触れています。
「弟子」「門弟」という言葉だけを見ると驚きますが、森下さんの発言は、能力や生産性を高め、それを待遇にも反映させていくという考え方とセットになっています。
「高齢者扱いは90歳から」定年制度を廃止
テンポスは2005年に定年制を廃止しました。
採用情報でも、年齢の上限はなく、定年制度もないことが明記されています。
さらに採用サイトには、
「高齢者扱いは90歳から」
というキャッチコピーまであります。
この言葉には、わたくしも思わず二度見しました。
会社側によると、テンポスバスターズでは従業員の3分の1が60歳以上とのこと。
年齢に関係なく働ける環境を作ろうという姿勢が、かなりはっきり表れています。
60歳以上には「パラダイス社員制度」
テンポスには「パラダイス社員制度」というユニークな制度もあります。
対象は、勤続10年以上で60歳以上の正社員。
最低限の成績をクリアすれば、時短勤務または週休3日勤務を選べます。
公式サイトには、シニア社員について「会社のお荷物」ではなく「感謝される人財」という考え方も示されています。
さらにシニア社員を対象とした「2泊3日のパラダイス研修」もあります。
全国の店舗を回り、現場の店長らと意見を交わす研修ですが、公式サイトの説明には、夜はお酒を飲むため翌日はほとんど何を話したか覚えていない、というユーモアのある一文まで。
ここまで正直に書く採用ページも、なかなか珍しいですね。
パートでも店長を目指せる
テンポスには「パート店長制度」もあります。
パート社員であっても、意欲と能力次第で店長に挑戦できる仕組みです。
また、新しい部署や店舗の役職者は社内で募集され、社内研修「テンポス道場」を卒業していれば、年齢・国籍・経験・性別に関係なく立候補できます。
年功序列とはかなり違う考え方で人材を登用していることが分かります。
社長まで競争で決める「社長の椅子争奪戦」
そして極めつけともいえるのが、「社長の椅子争奪戦」です。
この制度は2003年、社員から「社長は良いですよね。ずっと社長なんだから」と言われた森下さんが、「それなら勝負だ」と応じたことから始まりました。
森下さんとエリアマネージャー7人で最初の争奪戦が行われ、その後もおおむね4年に1度開催されています。
2018年の第4回では、立候補した5人が新社長にふさわしい実績を挙げられなかったとして、新社長の決定そのものが延期されました。
このことは会社から正式に発表されています。
2022年11月に始まった第5回では、次世代にバトンを渡すため、森下さん自身は立候補していません。
「社長の椅子」まで競争の対象にするところにも、テンポスらしい考え方が表れています。
昨日の株主総会で、テンポスグループ5社を対象とする「社長の椅子争奪戦」の実施を発表しました。役員研修の参加者が、実戦を通じて経営者を目指します。次世代の社長は誰になるのか。今後の挑戦にご注目ください。#テンポス#社長の椅子争奪戦 pic.twitter.com/rcRJsh1Xeo
— テンポスHD【公式】飲食店の開業支援・ドクターサービス (@tenpos_koho) July 30, 2026
テンポスグループは本当にブラック企業?社員の評判を調査
ここで確認しておきたいのは、会社が使っている「ひかるブラック企業」と、一般的な意味で使われる「ブラック企業」は分けて考える必要があるという点です。
そのうえで、社員の口コミも確認してみました。
以下は会社が公表した統計ではなく、口コミサイトへの投稿や各サイト独自の集計による情報です。
Indeedでは、2026年9月確認時点で口コミ4件、総合評価は2.8/5でした。
外食産業について学べるという趣旨の肯定的な投稿がある一方、給与や働き方について厳しい内容もあります。
ただし、口コミが4件と少ないため、これだけで会社全体の実態を判断することはできません。
転職会議では口コミ52件が掲載され、投稿データをもとにした数値として月平均残業33.3時間、有給消化率47%と表示されています。
Yahoo!しごとカタログでは口コミ20件が掲載され、年収データは回答者18人の平均442万円と表示されています。
こちらも会社公式の平均年収ではありません。
興味深いのは、森下さん自身も口コミ評価について触れていることです。
2024年7月9日付の公式メッセージで森下さんは、家電グループ430社の中で「待遇395位」だった一方、「風通しの良さ15位」「社員のやる気13位」「20代登用1位」だったという評価を紹介しています。
ただし、このランキングがいつの時点の集計なのか、また、どの口コミサイトによるものなのかは明記されていません。
森下さんはこうした評価を紹介したうえで、賃金アップや生産性向上について語っています。
口コミには厳しい声もありますが、投稿者の経験や勤務時期などによって評価は異なるため、参考情報の一つとして見るのがよさそうです。
「テンポスバスターズ 死亡」と検索されるのはなぜ?
テンポスグループについて調べていると、Googleの「他の人はこちらも検索」に「テンポスバスターズ 死亡」という気になるキーワードが表示されることがあります。
そもそもテンポスバスターズは、テンポスグループの中核企業の一つで、中古厨房機器や店舗用品の買取・販売、飲食店の開業支援などを行っている会社です。
「死亡」と表示されると、「何か大きな事故や事件があったのでは?」と心配になりますよね。
しかし、2026年9月24日時点で今回調べた範囲では、「テンポスバスターズ 死亡」という検索ワードの理由を説明する公式発表は確認できませんでした。
また、テンポスバスターズで重大な死亡事故や事件があったことを裏付ける信頼性の高い報道も確認できていません。
一方、調べている中で気になったのが、2021年8月19日に日経ビジネス電子版に掲載された森下篤史さんのインタビューです。
記事のタイトルは「中古厨房機器テンポス社長『ハイエナ商売はやめる』の真意」。記事中には「『死肉をあさる商売』から脱却する」という見出しもあります。
かなりインパクトのある表現ですが、これは人の死亡や事故を意味するものではありません。
森下さんは、閉店した飲食店などから出る中古厨房機器を扱ってきた従来のビジネスについて、このような強い言葉を使って表現していました。
そして、中古厨房機器という「モノを売る」だけの商売には限界があるとして、飲食店を支援する「サービスも売る」方向へ転換していく考えを語っています。
ただし、この「死肉」という表現がGoogleの「テンポスバスターズ 死亡」という検索ワードにつながったのかどうかは確認できません。
検索候補に「死亡」と表示されていることだけを根拠に、事故や事件があったと判断することはできないため、理由が確認できない以上、この記事では推測は避けたいと思います。
テンポスの株主優待は廃止?「改悪」と言われる理由
株主優待そのものは廃止されていない
2026年9月24日時点でも、テンポスホールディングスの公式サイトでは株主優待制度が案内されています。
つまり、「株主優待が廃止された」というわけではありません。
ただし、制度には大きな変更が行われています。
長期保有を優遇する制度へ変更
2025年10月30日、テンポスホールディングスは株主優待制度の変更を発表しました。
従来は100株以上を保有していれば、保有期間にかかわらず、4月末時点で8,000円分の御食事券が対象でした。
4月末の期末優待は、2027年4月末から次のように変更されます。
100株以上・1年未満
優待なし
100株以上・1年以上3年未満
3,000円分
100株以上・3年以上
8,000円分
10月末の中間期優待についても、2026年10月末から変更されます。
1年未満は優待なし、1年以上2年未満は3,000円分。
2年以上の株主は抽選の対象となり、最高額は5万円分。抽選に外れた場合でも3,000円分がもらえます。
会社は、株式を長期的に保有してもらうことを変更の目的として説明しています。
そのため、短期保有の株主には不利になる一方、長期保有者を優遇する制度へ変わったといえます。
なお「継続保有」は、4月末・10月末の株主名簿に同一株主番号で継続して記載されていることなどが条件です。
貸株サービスの利用や名義変更などによって株主番号が変わった場合、継続保有とみなされないことがあるため注意が必要です。
2026年8月から株主優待券を使える店舗も変更
もう一つ大きく変わったのが、優待券を使える店舗です。
2026年8月1日から、株主優待券の利用先はグループ会社・関係会社の店舗や対象通販サイトに変更されました。
それまで利用できたグループ外の協力飲食店では、使えなくなっています。
この変更は、すでに発行されていた優待券にも適用されます。
会社はその理由として、協力飲食店での利用が減少し、グループ・関係会社の飲食店での利用が9割を超えていたことなどを挙げています。
現在も「ステーキのあさくま」やヤマトサカナ、サンライズサービス、マルシェの対象店舗などで利用できます。
通販サイト「あさくまファーム」や「マルシェのオンラインストア」でも利用可能です。
利用できる範囲は変更されましたが、株主優待そのものがなくなったわけではありません。
短期保有者への条件変更や利用店舗の変更があったことから、「廃止」「改悪」といった言葉で検索する人がいるのかもしれません。
まとめ
今回は、「テンポスグループ やばい」と検索される背景について調べました。
テンポスグループを今回確認した情報だけから、一般的な意味での「ブラック企業」と断定することはできません。
一方、会社自身が「ひかるブラック企業」という独自の言葉を公式サイトやIR資料で繰り返し使用していることは確認できました。
さらに、
・社員を「弟子」「門弟」と考える独特な人材育成
・2005年に定年制度を廃止
・「高齢者扱いは90歳から」
・60歳以上を対象とした「パラダイス社員制度」
・パート社員も店長を目指せる制度
・社長まで競争で決める「社長の椅子争奪戦」
など、一般的な会社ではあまり見かけない考え方や制度があります。
また、「テンポスバスターズ 死亡」という検索ワードは確認できるものの、今回の調査では、それを裏付ける重大な死亡事故や事件は確認できませんでした。
株主優待についても廃止されたわけではなく、長期保有者を優遇する制度への変更や、利用できる店舗の変更が行われています。
「やばい」という一言だけを見ると少し不安になりますが、実際に調べてみると、その背景には森下篤史さんの独特な経営思想や人事制度、社員の口コミ、株主優待の変更など、さまざまな要素があることが分かりました。


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