動くバナー広告に違和感。調べたらJAROに7,088件の苦情が届いてた話

暮らし・雑学

ある番組表サイトで、ピアニストの辻井伸行さんの出演予定を調べていたときのことです。画面の端で、GIFバナーがチカチカと動き続けていました。

最初は「まあ、よくある広告かな」と思ったんです。でも、記事を読もうとするたびに視界の隅でピカピカと点滅されると、だんだん気持ち悪くなってきて……。

「これ、わたくしだけ?」

そう思いながら調べてみたら、まったくそんなことはありませんでした。

動くバナー広告にモヤモヤ…それ、あなただけじゃないかもしれません

実はわたくし、普段はカウンセリングや相談事に携わる仕事をしています。だからかもしれませんが、「違和感」って大事にしたいんですよね。相手の言葉に表れない本音と同じで、自分の感じたモヤモヤには必ず理由がある。

そう思って調べ始めたら、驚くべきデータに行き当たりました。

JAROに届いた7,088件の苦情とは?

JARO(日本広告審査機構)という団体をご存じでしょうか。広告に関する苦情を受け付けている公益社団法人で、1974年から活動している信頼できる機関です。

そのJAROが2025年12月に発表したレポートによると、2025年度上半期の苦情件数は7,088件。前の年の同じ時期と比べて1.7倍に急増し、上半期としては過去最多を記録したのです。

引用元:JARO

「GIF動画が鬱陶しい」は実際の苦情だった

さらに読み進めて、思わず「これだ!」と声が出そうになりました。

苦情の内容として、バナーの画像が「気持ち悪い」「汚い」、そして「GIF動画が鬱陶しい」という声が正式に記録されていたのです。特定の医薬部外品を扱う1社だけで、なんと479件もの苦情が集中していました。

わたくしが感じたあのモヤモヤは、ちゃんと「声」として届いていた。その事実に、少しだけほっとしたのを覚えています。

ネット広告への苦情は前年比211%に急増していた

媒体別に見ると、インターネット広告への苦情は前年比211.2%と倍以上に。テレビ広告も142.2%増と、あらゆる媒体で苦情が増えていました。「表現」が不快という苦情だけでも4,097件、前年比242%です。

数字を見れば見るほど、「みんな同じように感じているんだ」と実感しますね。

引用元:JARO

「気持ち悪い」と感じる広告には共通点があった

では、どんな広告が特に嫌われているのでしょうか。

ユーザー1,019人の調査でわかった「不快な広告」の正体

2026年3月に実施されたインプレス社の調査(回答者1,019人)では、YouTube動画広告を「不快」と感じる人が81.4%にも上りました。SNSのタイムライン広告も80.9%、バナー広告も77.0%が「非常に不快」または「やや不快」と回答しています。

同じブランドの広告を「1日に2〜3回」見た時点で不快に感じる人が34.7%と最多で、「1日に4回以上」も21.3%。つまり、半数以上の人が1日のうちに複数回見るだけで「しつこい」と感じていることになります。

引用元:インプレスビジネスメディア

自動再生・画面占領・誤クリックが三大ストレスに

フルスピード社の調査では、不快に感じる理由がさらに具体的に。

1位は「誤ってクリックしてしまったとき」。読み込みの遅れで広告が突然現れてタップしてしまう、あのイライラです。2位が「画面を占領するタイプ」、3位が「自動で映像や音声が再生されたとき」。どれも、ユーザーの意思を無視して割り込んでくる広告ばかり。

自分がコントロールできないものに不快感を覚えるのは、人間として当然の反応なのかもしれません。

わかっているのに、なぜ企業は「うざい広告」を続けるのでしょうか

ここまでデータが揃っているのに、どうして企業はやめないのか。

マーケティングの世界では「アテンションエコノミー」という考え方があります。人の注目そのものが価値になる時代。気持ち悪くても、うざくても、とにかく目に留まれば勝ち——そういう構造が根底にあるようです。

また、大手プラットフォームが審査基準を厳しくするほど、そこからあぶれた広告が審査のゆるい媒体に流れていくという側面も指摘されています。「クリック率」という数字だけを追いかけると、ユーザー体験は後回しになってしまう。数字と誠実さのバランスって、どんな仕事でも難しいものですね。

あなたの違和感は「声」にできる時代です

では、わたくしたちに何ができるのでしょうか。

JAROへの通報はオンラインフォームやLINEから

実はJAROでは、一般の人が広告について意見を送れる窓口を用意しています。2025年にはオンラインフォームがリニューアルされ、LINEからも簡単にアクセスできるようになりました。気になる広告を見つけたら、その場で報告できるんです。

相手の気持ちを考えて行動する——これはわたくしが日頃から大切にしていることですが、広告の送り手にも同じことが言えるはず。ユーザーの声が届けば、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

「良い広告」への応援フォームもあるようです

面白いことに、JAROでは苦情だけでなく「良かった広告」も受け付けています。ただ否定するだけではなく、良いものは良いと伝える。コミュニケーションの基本ですよね。

SNSやネットの声…みんな何と言っている?

SNSを覗いてみると、同じように感じている方がたくさんいました。

Xでは「最近ちょっと汚めなGIFアニメを使ったサプリのバナー広告をよく見かける。単純に不快で宣伝効果よりも悪名の方が勝りそう」といった声が投稿されています。

Yahoo!知恵袋にも「あのような気持ち悪い広告で集客できるのでしょうか」という質問が寄せられていました。そのベストアンサーでは「気に障るのも注目をされるという、アテンションエコノミーの一種ともいえる」と分析されていて、なるほどと思わされます。

また、Googleの広告コミュニティでは「広告元は不快過ぎて見るのも嫌なので調べることも出来ません」という切実な投稿も。

こうした声の積み重ねが、7,088件という数字になったのでしょう。一人ひとりの「気持ち悪い」は小さくても、集まれば社会を動かす力になる。カウンセリングの現場でもよく感じることですが、声に出してみることには、思った以上の意味があるものです。

まとめ:7,088件の次の1件は、あなたの声かもしれません

この記事で分かったことを整理します。

【要点まとめ】

・JAROへの広告苦情は2025年度上半期で7,088件、前年比1.7倍に急増
・「GIF動画が鬱陶しい」「気持ち悪い」という声が正式な苦情カテゴリに
・ネット広告への苦情は前年比211.2%と倍以上
・ユーザーの8割以上がYouTube広告やSNS広告を不快と回答
・自動再生・画面占領・誤クリックが三大ストレス要因
・JAROにはLINEからも通報可能。良い広告の応援フォームもある

あの日、番組表の画面で感じたモヤモヤ。それがまさか7,088件もの声とつながっているとは思いませんでした。違和感を「まあいいか」で流さずに、ちょっと立ち止まってみる。そんな小さな行動が、より良い広告の未来につながるのかもしれませんね。

動くバナー広告に関する新しい情報があれば、また追記していきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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